今回の税理士の現場からの投稿は、以前このブログで紹介しました「冬来たりなば春遠からじ」のSさん(今回はT子さん)からの開業物語です。(以下、投稿です)
 
 早いものでおよそ10年に渡る受験時代にピリオドを打ち税理士登録をして約8年が過ぎました放浪の武者修行にも区切りをつけ生まれ育った町に戻ったのは税理士登録後2年半を過ぎた頃でした。15年ぶりに戻った故郷は、高校生の頃と何も変わっていないかのように感じられました。
 
 地元に戻って早5年現在私のクライアントは個人の方がメインです。一口に“個人”と言っても様々です。お商売をしている個人事業主、不動産所得を申告する地主、突発的な相続・贈与・譲渡があったサラリーマンや主婦などなど。後者になればなるほど、これまで税制など気にしたことがなかった人々になります。
 
 難しい話をいかに“やさしく”説明するか!ここが私の腕の見せどころ“やさしい”は“易しい”であり“優しい”でもあります。大法人の経営者にとって当たり前のことでも、一般の人にとっては専門用語は難解でチンプンカンプン。これを“易しく”説明できてこそ専門家だと思います
 
 また、どんなに正しいことを言っていても、相手に気持ちよく聞いてもらってクライアントの心に響かないとわかってはもらえません。ここで活きてくるのが“優しさ”だと思います。一昔前の税理士さんの中には先生然とした殿様商売の方もいらっしゃいました。
 
 しかし、私は税理士業というのはある種サービス業だと思っていますコミュニケーションが取れなければやっていけない仕事です。パソコンや資料を見ているだけではできません。
 
 私は、元からの性分もあるのでしょうが、あまりビジネスライクにならず親切丁寧をモットーにお仕事しているつもりです。この辺は、気楽な弱小個人事務所だからできることかもしれませんが(笑)
 
 世間では「税理士は消える職業だ」や「AIに取って代わられる」などと言った記事が出回ったりしていますが、クライアントとの細やかなまた時節に応じた適切な双方向コミュニケーションをとるといった部分についてはまだまだ人間にしかできないと思いますし逆にAIやテクンロジーに任せることができる部分については積極的に任せて仕事の効率化を図っていけばよいと思います。業界内部では、世間で言われているように自分の職業が消えると心配している人は少ないのではないでしょうか。
 
 さて、私が税理士業界で働き始めた頃は、今よりもまだまだもっと男社会で、女性であることがマイナスに働いた部分もありました。しかし、最近では女性の経営者も増えまた経理を担当するのが女性である会社も増えてきましたそうなると顧問税理士が女性であることが喜ばれるケースも増えてきます
 
 特に、突然旦那さんが脱サラして商売を始めるなんていうケースですと、普通の専業主婦だった女性がいきなり会社の経理をすべて任されることになるので、こんなとき、顧問税理士に何でも相談できるというのは心強いものです。
 
 私のところに来てくださるお客様からは、「おじさんだと緊張するから女性でよかった」や「優しい人でよかった」など、若い女性であることが喜ばれていて女性だから嫌だという声はありません。また、若い経営者の方からも相談しやすいと喜ばれています。
 
 この部分は、「自分の顧問税理士は、むしろ緊張するほどの人物がいい」や「父親のように何でも相談できる年上がいい」と思う人もいれば、「対等に話せる同年代がいい」や「若い人からエネルギーをもらいたい」と考える人もいるでしょうから、お客様との相性によるでしょう。相性が合わないときは無理をする必要はないと思います。その方がお互いのためです。
 
 指導する立場からすると、最初は何もできなかった経理担当者が色んなことを吸収してくれるのは指導し甲斐がありますし最初は社長1人で始めたような小さな会社がどんどん成長する姿をすぐ傍で見ることができるのはとても嬉しいものです
 
 頼られたりありがとうと言われたりすることがこの仕事の大きなやりがいですまた色々な業種の方々が相談においでになるので普通では聞けない話が聞けたりするのも面白く毎日が異業種交流会です

 
 次回(後編)は11月30日に掲載いたします。