税理士が遵守すべき税理士法上の義務等
 法は、税理士の使命の重要性に鑑み、税務に関する一定範囲の業務を税理士業務と定め、これを行うことができる者を原則として税理士又は税理士法人に限定する一方で、税理士に対して一定の義務等を課しています。
 税理士が遵守すべき税理士法上の義務等を例示すると、以下のとおりとなります。
 
 1、税理士の使命(法第1条)
 2、税務代理の権限の明示(法第30条)
 3、特別の委任を要する事項(法第31条)
 4、税理士証票の提示(法第32条)
 5、署名押印の義務(法第33条
 6、脱税相談等の禁止(法第36条)
 7、信用失墜行為の禁止(法第37条)
 8、非税理士に対する名義貸しの禁止(法第37条の2)
 9、秘密を守る義務(法第38条)
10、会則を守る義務(法第39条)
11、事務所の設置・2以上の事務所設置の禁止(法第40条)
12、帳簿作成の義務(法第41条)
13、使用人等に対する監督義務(法第41条の2)
14、助言義務(法第41条の3)
15、業務の制限(法第42条)
16、業務の停止(法第43条)
 
税理士に対する懲戒処分の種類
 法は、税理士が、税務に関する専門家として、独立した公正な立場において、申告納税制度の理念にそって、納税義務者の信頼にこたえ、租税に関する法令に規定された納税義務の適正な実現を図るべく活動することを期待し、これをその使命として規定(法第1条)するとともに、税理士又は税理士法人でない者は、原則として税理士業務を行ってはならないこととし(法第52条)、税理士業務を独占業務として法的保護を与えています。
 このような法的保護が与えられている反面、税理士業務の執行は、一般納税者に対してのみならず、税務行政に対しても重大な影響を与えるものであることから、こうした点を踏まえ、監督上の行政処分として、税理士に対する懲戒処分制度が設けられています。
 法第44条は、税理士に対する懲戒処分の種類として、(1)税理士業務の禁止、(2)2年以内の税理士業務の停止、及び(3)戒告の3種類を規定しています。
 
(1) 税理士業務の禁止
税理士業務の禁止は、税理士業務を行ってはならない旨を命ずる処分、すなわち、不作為義務を命ずる処分であり、税理士に対する懲戒処分のうち最も重い処分です。
 税理士業務の禁止処分を受けた者は、法第4条第7号の規定により処分を受けた日から3年を経過する日まで税理士となる資格を有しないこととなり、法第26条第1項第4号の規定により税理士登録を抹消されることとなります。
 
(2) 2年以内の税理士業務の停止
2年以内の税理士業務の停止は、税理士業務を行うことを一定期間やめることを命ずる処分です。
 2年以内の税理士業務の停止処分を受けた者は、その停止期間中は税理士業務を行うことができませんが、税理士登録は抹消されません。
 
(3) 戒告
戒告は、本人の将来を戒める旨の申渡しをする処分であり、懲戒処分としては最も軽いものです。
 戒告処分を受けた者は、税理士業務あるいは税理士の資格について特に制約を受けませんので、引き続き税理士業務を行うことができます。